借地権を延長する方法や借地に建てた家に長く住むためのコツをご紹介

土地を借りて家を建てている場合、施工した住宅にそのまま永久に住み続けられるかどうかが気になりますよね。土地の持ち主から「土地を更地にして返して欲しい」などと言われたら、どんな人でも慌ててしまうでしょう。

ただ、このように土地を借りて家を建てているケースでは、借主にも借地権という権利があります。今回は、この借地権について解説していきます。権利を延長するための方法も、少しご紹介しましょう。

借主は借地借家法によって守られている

第3者の土地を借りて家を建てている場合、借主には借地権という権利があることはよく知られています。借地権は借地借家法によって定められている権利で、借主を保護する内容になっているのが特徴です。期間がとくに定められていない借地権を持っていると、土地の持ち主から突然不当な要求をされても借主は断ることができます。

例えば、「代が変わったので1年以内に土地を返還して欲しい」や、「家庭菜園を作りたいから家を取り壊してほしい」などの要求を突き付けられた場合、借主は必ずしも応じる必要はないわけです。

従来の借地借家法では、土地を貸している側が特別な理由なしにこのような要求をすることは認められていません。

また、土地を借りている場合、数年ごとに契約を更新するスタイルをとっているかもしれませんね。このようなときには、土地の持ち主が途中で更新を拒むケースもあるでしょう。借地借家法では、こういった更新の拒否についても規定があります。

土地の持ち主は正当な理由を持たずに更新を拒否できないというルールがあるため、たとえ貸主に拒絶されたとしてもすぐに立ち退く必要はありません。ただ、期間が定められている定期借地権の場合は、原則として契約している期間が終われば借地権もなくなります。

平成4年以降にスタートした定期借地権の契約をしているときには、借地権が生じる期間も限定されますので気を付けましょう。

借地権を延長したい場合に役立つのがリフォーム

実のところ、借主にとってメリットが大きい借地権も、永久に権利が続くというわけではありません。例えば、平成4年以前の旧法では、建物が朽廃という状態になった場合、借地権が消滅するというルールが定められていました。

ただ、朽廃は、土台や柱にダメージが生じているなど、そのままではとても人が住めない状態を指します。この段階に至るまでには相当な時間がかかりますので、住んでいる家が多少古くなったとしても余り慌てる必要はないでしょう。

建物のダメージが目立ち始め、今後のことが不安になるときには、リフォームをして借地権を延長するという方法があります。リフォームを行った場合、一般的に建物の寿命が延びます。実際、施工の仕方によっては、家の寿命が20年以上延びることがありますよね。

その土地に長く住み続けたいときに、途中でリフォームをするのは効果的なアプローチと言えます。

大規模なリフォームをするときには貸主の許可が必要

規模が大きいリフォームをするときに1つ気を付けておきたいのが、必ず貸主から承諾を得て施工に取り掛かるということです。規模が小さい修繕などは、とくに貸主の承諾は必要ないとされています。ただ、別室を新たに増設する増築、耐震のために構造部を変える改築などをするときには、基本的に土地の持ち主の承諾が必要です。

建物の寿命を大幅に延ばすこのようなリフォームをする際には、貸主から許可を得るのがルールになっています。実のところ、建物の寿命が延びると貸主にも少なからず影響を与えます。建物の寿命が延びた分だけ、土地を借りている期間が長くなると予想されるため、事前に貸主の承諾を取り付ける必要があるわけです。

このようなルールを守らないと、契約解除の原因を1つ作ってしまうことにもなりかねません。契約書で定めたルールに従わず、借主が無断でリフォームを行うなどのルール違反がある場合、貸主は以後の契約を解除できます。

こうなると借地権を失うことになってしまいますので、リフォームを行ったとしても、取り壊しなどを求められる可能性があります。借地権を有利に活用するためには、貸主と友好な関係を築いておくことも大切。日ごろから関係がよければ、リフォームの相談をしたときにも、こころよく承諾してくれる確率が高くなりますよね。

また、承諾を得る際には、承諾料などをきちんと用意しておくことも大切です。


承諾が得られないときには裁判所に申し立てをする方法もある

相談をしたにもかかわらず、土地の持ち主がどうしてもリフォームを承諾してくれないときには、裁判所に申し立てをして許可を取り付けるという方法も可能です。裁判所では、貸主側に大きな不利益が生じない場合には、このようなリフォームを許可するケースがあります。

正当な理由なく、土地の持ち主が承諾を拒んでいるような場合は、借主側に有利になる判断がくだされることも少なくないわけです。裁判所に申し立てをする方法は、契約の条件変更などに貸主が応じてくれない場合にも役立つアプローチになってきます。

実際、旧法で契約した賃貸契約を、後に変更したいという状況もでてくるかもしれませんね。貸主との交渉がまとまらない場合は、裁判などの法的な手段を考えてみるのも1つの方法になるでしょう。

建物が古くなっても無断で取り壊すのはご法度

貸主が遠隔地に住んでいる場合や、高齢でケアハウスなどに入居している場合には、本人となかなか話をする機会がないかもしれません。このようなケースでは、「後で事情を話せばよい」と考えて、貸主に無断で家を取り壊してしまう人もいます。

また、「一度借りた土地なのだから、とくに連絡する必要はない」と考えている人もいるでしょう。

実のところ、借りている土地に建っている建物を取り壊すときには、リフォームのときと同様に地主の許可が必要です。相続などで地主の名義が変わっているときにも、承諾を得ずに勝手に取り壊しをしてしまうのはルール違反です。

この手の違反をすると、やはり契約解除の原因になってしまいますので注意が必要です。借地権のメリットを得る場合、建物が建っていることが1つの条件になっています。取り壊しをして住居自体がなくなってしまうと、権利も消滅してしまう可能性があるわけです。

地震や火災といった自然災害に遭った場合、再度同じ場所に建物を建てれば、引き続き借地権を維持できることが多いです。ただ、地主の承諾を得ずに故意に取り壊しをした場合は、少し話が変わってくるため注意をしましょう。